今回の学科ニュースでは、史学科の辻浩和先生が関わっている展示会を紹介したいと思います。
現在、千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館で開催されている
「性差(ジェンダー)の日本史」展が様々なメディアで取り上げられ話題になっているのを
ご存じですか?
この企画展は国立の歴史博物館として初めてジェンダーをテーマにしたもので、
弥生時代から現代まで280点以上の資料をもとに、
「なぜ、男女で役割を区分するようになったのか?」
「男女の区分のなかで人びとはどう生きてきたのか?
」という問いを追究している、大変興味深い企画です。
https://www.rekihaku.ac.jp/exhibitions/project/
史学科の辻浩和先生は、企画展のもとになった共同研究の段階から
このプロジェクトに関わり、展示プロジェクト委員として
実際の展示にも携わりました。
辻先生は、海外の博物館におけるジェンダー展示の現状を調べる中で、
展示を通して人々に研究成果を共有し、考えてもらうことの有効性や
重要性に気づかされたそうです。
展示は6つの章によって構成されていて、
第4章「仕事とくらしのジェンダー~中世から近世へ」では、
洛中洛外図屏風などに描かれる働く女性たち(巫女、茶屋、魚屋、扇屋など)を分析し、
第6章「性の売買と社会」では中世の遊女たちが社会とどのように関わっていたのかを
示しています。
【写真】図録書影
2年生以上が受ける「日本女性史(2)」の授業では、
展覧会全体の解説をしたうえで、実際に展示を見てレポートを
書いてもらうことになっています。また、このプロジェクトの成果は
1年生向け「日本史研究入門(2)」や2年生向け「日本史概説(1)」の中に
活かされており、古代史や中世史を語る際にも女帝や女官、
女房や働く女性たちの話題が多く取り入れられています。
辻先生に限らず、大学の教員はみな様々な研究活動に従事しています。
学生の皆さんが受けている授業は、こうした研究活動を基礎にして
組み立てられたものなのです。
★展示期間は12月6日(日)までと、残りわずかとなってしまいましたが、
史学科お勧めの展示企画です!